シリアスな役からコミカルな役まで演技力に定評のある滝藤賢一(たきとう けんいち)さん。
NHKの連続テレビ小説や大河ドラマにも多数出演しています。
そんな滝藤賢一さんですが、若い頃からご活躍されていたのでしょうか。
遅咲きの俳優さんと言われる滝藤賢一さんのその若い頃をご紹介します!
滝藤賢一は映画の世界で働きたい!
最初は監督をやりながら俳優をやってみたいと思っていたようです。
小学生の頃から金曜ロードショーなどのテレビの映画番組を毎週欠かさず観ていました。
当時は娯楽があまりなく、楽しみといったら映画だったとのこと。
影響を受けたのがロバート・デニーロさん、アル・パチーノさん、北野武さんとクエンティン・タランティーノさんです。
その中で監督をやりながらの俳優をしたいと思ったきっかけ、インパクトを受けたのが映画『パルプ・フィクション』です。
その影響で将来は芸大に入って映画を撮るか、体育大に入って水泳のインストラクターになるかと思っていたそうです。
滝藤賢一さんの少年時代からスポーツ万能でした。
特にお母様が勝負事にかなりこだわる人だったようです。
勉強しろとは言われませんが、スポーツで負けるとかなり厳しく言われて育ちました。
負けたりすると悔しいとは思わないのか!と強く言われたそうです。
そのため、野球やサッカーなどほとんどのスポーツでレギュラーでした。
結局大学には進学せず、19歳で上京して映画演出を学ぶために専門学校に入学します。
滝藤賢一は無名塾出身!
そして一般公募された映画『バレット・バレエ』に19歳のときに初めて出演します。
そのときに緊張しすぎてしまい、演技らしい演技ができなかったそうです。
目は泳ぎ、セリフもまともに言えず、それがきっかけできちんと演技の勉強したいと感じます。
そこで無名塾という有名な演劇塾の試験に挑戦します。主宰は仲代達矢さんです。
決め手はレッスン料が無料、期間である3年間はアルバイトと恋愛禁止だったから。
演技にとことん取り組める環境だと思い、応募します。
そしてかなりの倍率だった約千人の応募者の中で合格者5人のうちに入ります。
そこで、朝5時から稽古場が開くのに合わせて始発で向かい、約10kmのランニングと発声練習、終わるのが大体夕方で遅いときは夜の23時くらいまで稽古という日々でした。
休みは日曜と正月の3日間だけというかなりのハードなスケジュールだったそうです。
先輩が終わらないと、帰れないなど体育会系ですよね・・
塾長の仲代達矢さんからのレッスンは週に2回。
かなりの厳しさで台本2ページのセリフの稽古を半年もしていました!
仕事でも繰り返しやると感覚が研ぎ澄まされて、どんな状況にも身体がついてきてくれる状態になることがあります。
演技とは全くの別分野ではありますが、そのような血肉となる稽古をされていたのかもしれません。
この無名塾時代は俳優として活躍できず、人間としてくさっていたと言っています。
その無名塾の同期には真木よう子さんや内浦純一さんがいらっしゃいます。
滝藤賢一のブレイクのきっかけは?
そんな人間としてくさっていた滝藤賢一さんですが、ついに32歳のときにブレイクします!
その作品は2008年、映画『クライマーズ・ハイ』です。
それまではレンタルビデオ店、運送会社、居酒屋などのアルバイトをされていました。
そのときは無名塾に所属していて、ワークショップに参加した滝藤賢一さんを見て直接監督から誘われたそうです。
なかなか結果が出なかったようですが、師匠である仲代達矢さんからの言葉が支えとなります。
掛け持ちしていたアルバイトの給料も演技のワークショップやダンスの稽古などに注ぎ込んで、芝居のことばかり考えて過ごしていたけれど結果が出なかった。それでも続けられたのは、師である仲代達⽮さんの「勝負は40 代からだ、それまでは技術を磨きなさい」という⾔葉を信じていたから。今、あのときこの世界に夢中になれたことに、幸せを感じております。
引用元:Clarks
このとき俳優として結果が出ず、滝藤賢一さんはかなり追い詰められています。
やはりキャリアでは『クライマーズ・ハイ』に出演したことが転機になったと思います。家賃も払えなくなって、「努⼒をしても報われないんだな」とどん底を味わっていたときでした。状況を変えるために、思いつきでアメリカに⾏こうと思い、寝ないでアルバイトをし、なんとか家賃を払い切って貯⾦を始めた頃に合格の通知を受けて、⾃分でアクションを起こせば流れは変わるのだと改めて感じました。
引用元:Clarks
そこから初レギュラー出演の2009年、NHK土曜連続ドラマ『外事警察』から始まり、
2013年、TBSテレビの日曜劇場『半沢直樹』で主人公の同期役で名バイプレイヤーとしての地位を確立されます。
俳優としてのお仕事が全くなかった20代の反動で30代~40代まではオファーは断らず仕事を詰め込みます。
そこで体調を崩されてしまうんです。2025年1月のインタビューでのお話です。
“いつセリフ覚えるの?”、“いつ寝てるの?”っていう状況の中でも、平気な顔してエネルギーに満ち溢れている。パワーと情熱は誰にも負けない。オレは無敵だみたいな感じです。それがコロナ禍前後で一度、精神が崩壊したんですよね。心が壊れたんでしょうね。立っていられないというのが何か月……いや何年も続きました」
「しゃがみ込んじゃうんです。気持ち悪くなってしまう。吐き気と涙が止まらない。休むようになったのは、事務所を移籍してからですね。“心と体を休めて充実させなさい”と言ってくださって。最初は怖かったですよ。働き続けることでどこか安心しているようなところがありましたから。自分の存在意義がなくなってしまうような気がして。でも、ゆっくり心を休めて、体も休めて、作品に臨むと、“これだけ自分の情熱を捧げられるんだ”と気付かせてもらえた。馬車馬のように、じゃないけど、次から次へとやってきたからこそ思えたことなんじゃないですかね」
どん底を味わうとその頃に絶対戻りたくないと思ってしまうんですよね。
恐怖ですし、リスクマネジメントみたいなものですから、これは自分ではなかなか止められないですよね。。
移籍した事務所の方が休んでと言ってくださって本当に良かったです。
言ってくださらなかったら、滝藤賢一さんの演技を今も見ることができなかったかもしれません。
そんな滝藤賢一さんのリフレッシュ方法は大好きな植物を愛でること!
植物って可愛らしいですよね。水やりしたり、鉢の植え替えをしたりして癒されますよね!
そしてファッションもお好きだそうで、かなりの服がお好きなんだそう。
滝藤賢一は現状に満足しない!
目標だった主演作品にも恵まれて、かなりご活躍の滝藤賢一さん!
あと40年も50年もお仕事をされたいそうです。
以前は監督もしながら俳優もしたいと思っていましたよね。
今はそのようなことはできないと感じていらっしゃるようです。
俳優のお仕事は奥が深くて、監督をしながらなんて出来ない!とのこと。
「僕はあと40年か50年はやるつもりでいるので、いまは丁度折り返しですよね。やっぱり存在で勝負できる俳優に、人間になりたいです。どうやったらなれるのかといってもわからないので、常に自分を疑って、考え続けて、もがき苦しむ……ということしかないように思います。最後の最後まで諦めないでもがく……ってことかな」
「満足しないですよ(笑)。正解のない世界で正解を模索し続ける……この苦しさが仲代さんが仰っていた生涯修行に繋がっていくのかなって今思うんです。そんな仲代さんだって90歳を越えても、なお現役でもがき苦しんでお芝居をされているわけですしね。そういう意味では僕なんか、まだスタートラインにも立っていないんじゃないかって思うんです。いつスタートラインに立てるのかもわからないくらい。そもそもスタートラインに立てる日が来るんですかね(笑)。その日のためにも元気で立ち向かっていける精神と肉体は常に作っておきたいです」
引用元:THE CHANGE
個人的には『探偵が早すぎる』のドラマが好きです。
W主演の広瀬アリスさんと水野美紀さんと楽しそうに演技されているのが印象的でした。
撮影中なのに演技をしながら、思わず笑っているようなシーンもあり、思わずほっこりしました。
これからも益々のご活躍を応援しております!
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